横の連携が強い製本業界ではめずらしく、同業者と仕事を共有することはほとんどありません。他の会社が得意な内容であれば、そのまますべて任せてしまい、一部の加工だけ担当することは極力避けています。
それは係る会社が多くなるほどトラブルが増えやすく、責任の所在もあやふやになり原因が追いにくくなるから。
何よりも外注が増えればコストも時間もかかります。良い仕事を適正な価格で素早く届けたいから、「社内ワンストップ加工」を徹底しています。

断裁、折り、貼り、中綴じ、無線綴じ。5種類、計７台の機会に対して６人と決して多くない人数で動いている当社。特徴の一つは、自分を含め従業員全員がすべての機械を操作できること。製本業界では、通常一つの機械に対し専任の従業員が１人ないしは２人つくことが多いのですが、この方法だと担当者が休んだ途端に機械が動かなくなってしまう。結果、納期が遅れたり、他の仕事にも支障が出る。これを防ぐために、機械操作を覚える努力を徹底してきました。うちの社員は全員がスタメンなんです。

手を止めない工夫も色々しています。機械が製本をしていくとはいえ、刷り本を補充したり、仕上がりを確認したり、コンスタントな機械のチェックは必須。でも、べた付きでは手が遊んでしまう。
そこで機械の動きをチェックしつつも、他の作業ができるよう、機械の配置を大胆に変更しました。その結果、最大５台の機械を２人で動かせるようになり、かなりの効率アップにつながっています。

１日のはじまりは朝礼から。毎日の予定はかなり綿密に組んで共有しています。午前中に印刷が上がったものが届き、夕方までに製本をして納品することもざらですから、全員が流れを掴んでおくことがとても重要なんです。手が空いた時にどこを手伝えばスムーズに進むか、各々で判断出来ますし、予定が変わっても臨機応変に動ける。チームワークで仕事をしている小さな会社ですから、全員がすべてのポジションをこなせるようにしておきたい。これが短納期を実現する秘訣です。皆本当によく動きますよ。昼食の後は昼寝しないともたない。毎日試合みたいなもんです。